2016年3月、ChapmanCGは日本で約200名のシニア人事専門家による、楽天、アボット・ラボラトリーズ、ファーウェイ、3M、オラクル主催の会合を開催した。ChapmanCGの北東アジアエリアのマネージング・ディレクターのオスカー・フークスと、姉妹企業のEthos BeathChapmanのディレクターの松本真平太も出席した。各グループは、「未来の職場のための準備」というテーマを様々な角度から議論し、そこには多くの注目すべき視点があり、以下の3点が特に興味深いものであった。

日本文化バブルの跳躍

世界的に繋がっている経済において人々は場所に関係なく、世界中の人と働くことができなければならない。グローバルな給与格付けシステムの導入もしくは多様性と包括性のプログラムのいずれかに関わらず、テクノロジーは適切な位置になければならず、共通の言語を使用して相互理解を深める必要がある。しかし視点が非常に異なる日本では達成が難しい場合がある。一般化するためには日本人は丁寧で、公正で、そして忠実な社員であるという評判を持つ。このように研究は彼らのモチベーションが他の文化で見られるものとは多少異なり、給与や昇進などの要因よりも仕事の満足度がはるかに高いことを示している。したがって、他の国でうまく作用する従業員エンゲージメント戦略は日本ではそこまで成功しないのである。

この文化的側面に別の角度からアプローチすると、個人主義は依然として日本では冷やかな目で見られており、グループとしての責任がより重視されている。日本のビジネス文化では、「頑張ります」という言葉が一般的に使われているが、ますます競争が激化し、グローバル化しているビジネス界ではもはやグループ内でのかばい合いがなくなり、「頑張る」ことはやや世間知らずで不十分な可能性がある。

その結果、日本の企業はこの「万人は一人の為に」の文化をより結果重視の文化に変えようとしている。業績ベースの給与制度の導入に加えて、企業は現在数週間の短期滞在から数ヶ月にわたる長期勤務まで、より多くの日本人従業員を海外に派遣している。ここでの目的は、文化的理解を得ることと、文法が時には努力の第二になる英語を話す職場環境で働く能力である。これらのプログラムでは、非英語圏の人物に自分のアイディアを出すように促すための司会者がいる。ついでながら言えば、一般的に日本の資質である、少数の言葉による方法論的思考と聞き手として優れていることは、しばしば最も実用的であり、最も実用的な解決策を思いつく。日本の「万人は一人の為に」の文化から個人が支配する環境への移行の長期的な成功と効果は、今後10年ほどにわたって観察するのが面白いだろう。

職場における女性が作り出す経済

安倍首相は2020年の東京オリンピックに向けて、全産業においてリーダーシップポジションの30%を女性に任命するという目標を発表して以来、日本のジェンダーの多様性が脚光を浴びている。これはもちろん、口で言うほど簡単ではない。皮肉なことに、年功序列制の任期が2035年まで新卒採用を認めないため、安倍首相自身は自らの政治でこの目標を達成することはできない。これは挑戦にもかかわらず、複数の多国籍企業では2020年までにリーダーシップの役割を担う女性について50%を目指すという高い目標が設定されているという話を聞くのは素晴らしいことである。この目標は野心的ではあるが、これらの企業は高い目標に到達できるようにプログラムを整備しており、そのうちの何点かが以下に概説されている。

1. 女性面接官が女性候補者の参加を促すなどのアイディアなど、パネル面接の多様性を確保する。

2. 従業員は子どもの世話のために早く帰宅することができるなど、柔軟性を促進し、より快適に働くことができる。

3. 職場復帰を望む母親のための働きやすいプログラムを展開する。

4. 偏見や先入観を変えるための訓練を何気なく提供することにより、多様性の認識を構築する。

この段階では、リーダーシップの女性率を1桁増加させることができる企業に若干の勝利があるように見える。現在、外に出て働く日本人女性の割合は64%であり、実際のところ米国女性の63%よりも高い。安倍首相は、保育所や労働条件の改善を推進してきたが、これは主に一時的あるいは契約社員のためのものである。これらの政策が女性のためのリーダーシップの役割にどのように変換されるのかはまだ分からない。

従事?それとも離職? - そこにある問い

日本が最低の従業員エンゲージメントスコアであるかどうかを聞くと、ほぼすべての企業の代表者が手を挙げた。日本人はどんな規模でも中程度の数字を出す傾向に偏っていると議論されるが、日本の商品やサービスの質は非常に優れているため、仕事で同じ経験を生み出すのは難しいという理論もある。理論はさておき、これは非常に深刻な問題であり、一部の企業はこれらのスコアを引き上げることを最優先課題としている。近年、社員の貢献度が高いほど、生産性が向上し、サービスと品質と顧客満足度が向上し、事業目標を達成できることを示す調査結果が出た。生産性と成功を最適化したい企業にとって、これが優先事項になるのは間違いない。

ある有力なIT企業では満足度調査を実施し、従業員は新人研修、トレーニング、社内でのキャリアパスに不満を持っていることが判明した。そのため人事は上司や新入社員のためのマニュアル作成、キャリアセミナー、マネージャー向けコーチング、全ての研修の提供、英語からビジネス関連のトピックに至るまでをすぐに実行した。結果は社員の満足度が8%増加し、これは1年未満という短期間を考えれば印象的である。また柔軟性を含め、社員に自宅での作業を可能にするテクノロジーを提供するなど、良い結果を得た他のプログラムについても聞いた。起きた1つの問題として外資系企業が認識すべきことは、企業内ネットワークやソーシャルメディアを通じた本社からの英語の情報が多すぎると、日本人が離れていく可能性があるということである。そのため企業は日本の従業員にとって重要な情報の翻訳に投資することが重要である。

結論

5部門のセッションはすべて、貴重な情報の共有と各自の経験からの学習で構成された。我々の共同主催者である、楽天、ファーウェイ、オラクル、3M、アボット・ラボラトリーズの主催者、そして参加者全員に大きな感謝の意を表する。我々は2016年秋に次回の会合を開催する予定である。

出席者からのコメント:

「このような多様な環境の中で他の刺激的な参加者から、より幅広く異なる視点を学ぶのは本当に素晴らしい機会でした。」 - シマタニ ヤスシ氏 / ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

「とても楽しい会合でした。私たちが直面している課題を共有することができたし、他企業で実践している良いアイディアを弊社でも試してみたい。ありがとうございました。」 - タシロ エリナ氏 / FISグローバル

「様々な業界の人事専門家に会う絶好の機会でした。視点を広げて創造性を刺激するのに本当に役立ちました。」 - オカモト サチコ氏 / フィリップモリスインターナショナル

「忙しい人事の世界では、自分自身の学習と発展の時間を見つけるのが難しい時がある。このイベントの2時間は人事専門家としての学び、共有、そして志を同じくする人々との出会いの時間でした。」 - タカセ ナオミ氏 / リシュモン

「日常のプレッシャーから抜け出し、重点を置くべきところを再確認できた。」 - エンドウ アキラ氏 / DHLエクスプレス

「ChapmanCGの会合はいつも楽しく、多くのことを学べる。このセッションでは、未来の職場のための準備というテーマで知識と意見を交換すること、特に日本のグローバル企業での英語使用に関する見解が重要であることがわかった。」 - タキグチ ミホ氏 / AIG

「日本のユニークな文化的背景の中で変化を受け入れていくために、全国の人事専門家とアイディアを共有し、交換する素晴らしい機会を提供して頂き、ありがとうございます。非常に活発なセッションであり、参加者の多様で豊かな経験から学ぶことができる非常に貴重な機会だった。」 - Adrita Datta氏 / ブリティッシュ・アメリカン・タバコ

「ネットワークを構築し、変更管理と変革に関する成功事例を共有することができた、素晴らしいイベントでした。 とても楽しかったです。」 - エサカ トモコ氏 / アマゾン

「とても楽しいイベントでした。新しい人と出会い、トレンドを学び、課題や成功事例を共有することができた。仕事量が多いため、時には日常から離れるのは難しいことだが、一歩離れ、時間をかけ、革新的になるために脳を刺激することの価値に気付いた。 お誘い頂き、ありがとうございました。」 - コバヤシ ミノリ氏 / ブルームバーグ

「このような素晴らしいイベントを開催して頂き、ありがとうございます。積極的な議論を楽しめたし、シニアな人事リーダーたちと意見を交換する貴重な機会でした。」 - ヤマモト ヤスヒコ氏 / JLL