ChapmanCGおよびグローバル・ヘルスケア企業Baxterは、日本における給与/福利厚生(C&B)の最新動向に関する会合を年初に共同主催しました。本会合は、美しい虎ノ門ヒルズにあるBaxterの新しいオフィスで開催され、BASF、Boehringer Ingelheim、Coca-Cola、General Electric、Pfizer、Merck (MSD)およびその他の多国籍企業、日本企業が出席しました。この会合で特に興味深いと思われたのは、様々な組織がC&B方針に関し様々な方法を採用していましたが、そのすべてが創造的に節減すると同時に業績を向上させることを目標としているという点でした。

ダブルハッティング(兼任)

ここ数年、多くの組織が「ダブルハッティング」という概念を採用していることがみてとれます。多くの場合、HRのビジネスパートナーがセンター・オブ・エクセレンス(創造的人材育成拠点:COE)機能も管理し、採用担当者が訓練も担当し、さらには事業部門の管理職が業績管理、採用および後継者計画にまで関与しています。C&Bリーダーも、この方式において、無関係ではいられません。人員数や給与の管理、およびダブルハッティング責務と報酬および賞与とのリンクにおいて、重要な役割を果たすからです。あるサービス企業は、自社がコスト意識の高い会社であるため、従来別々の職務であった仕事をミックスすることにより、全体的な労働コストを下げようとしているのだと述べていました。問題は社員の賛同を得られるかということですが、そのハードルが越えられれば、この方法は、社員に新たな分野における経験を積ませることができます。しかし、この現象の長期的な影響がどうなるかは興味深いところではあります。なぜなら、在任者が会社を去るようなことが起きた場合、広範囲のスキルを持つ後任者をみつけることが難しくなるかもしれないからです。

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実績重視vs姿勢重視

日本の保守的な企業は、保証された夏と冬の賞与、住宅手当およびその他の手当といった給与体系になっていました。そして、最近、多くを現金支給(手当ではなく)で、しかもその高い割合(15-25%)が業績に基づくという形に、この給与体系を再構築する傾向が多くみられるようになりました。しかし、ある金融企業は、今まで多くが実績ベースであった給与が、正反対の方向に向かっているとコメントしました。その会社は、理想的な企業文化を創造する姿勢を植え付ける努力を重ねてきました。そのために、様々な取り組みを率先して支持するという正しい姿勢を体現するロールモデルを見出しているのです。この金融企業はまた、360度フィードバックを採用し、その結果を個人の賞与に反映させる方針に変更しました。よって、賞与はもはや単純に実績ベースではなくなったのです。

C&Bにおける創造性

実績および姿勢による評価の方向に向かっている会社がある一方、「評価なし」制度に変更している会社もありました。そういった会社は、個人の実績に注目するのではなく、チーム目標と社員の能力の漸進的改善に焦点を合わせているのです。賞与の公平な分配という問題、および現在の日本労働法上多少のリスクは存在しますが、この制度を採用したいくつかの会社は(まだ少ないですが)、実績が落ちることなく、貢献度が上がるという結果となっています。この制度を採用する会社が日本で増えるかどうか、今後を注視していく必要があるでしょう。

総論

高齢化、若年人材の減少、組織ニーズの変化といった圧力を受け、企業は、創造的にコスト節減と同時に生産性をあげる取り組みを実践していかなくてはならなくなっています。本会合を主催してくださったBaxter、およびご参加の皆様に、日本のC&Bにおける実態をお話しいただき、今後への手掛かりを共有させていただけたことに感謝を申し上げたいと思います。2015年終わりに開催する予定であります次回の会合でも有意義なご意見を承りたく、よろしくお願い致します。