2012年11月の日本人事リーダー会合シリーズは5回の別々の会議で構成されました。人事部長の別々の2つのグループは、現在の採用の動向をテーマにカーギルとアルカテル・ルーセントのオフィスで会合を行いました。採用リーダーはパレクセルのオフィスで会合を行い、ダイレクトソーシング戦略について議論し、人材開発リーダーはブルームバーグのオフィスで会合を行い、日本でのリーダーシップについて議論しました。そしてC&B部長はマイクロソフトのオフィスで会合を行い、日本における従業員の潜在能力を最大限にする方法を議論しました。その週全体の会合では約100名の人事リーダーが参加し、そして内容はユニリーバ、ナイキ、コカ・コーラ、バクスター、ゴールドマン・サックス、マースク、ヒューレッ
ト・パッカードなどの企業の代表者によるケーススタディの他、オフィス賞を受賞したマイクロソフトの東京本社のツアーも含まれていました。

1) 採用の動向

  • 全てのテーマの中で最も注目されたのは採用に関する話題だったと思います。ほとんどの多国籍企業は、外部の人材を雇用するのにいまだ日本を世界でも高価な市場の一つとしてランク付けしています。多くの企業はLinkedInのようなオンライン求人ツールを認識しているにもかかわらず、エージェントの利用を省くのに苦労しています。しかし、ほとんどの先進企業はいまだ50%以上の求人に対してエージェントを使用していて、同じ分野で5〜10名の人員を採用する場合にのみダイレクトソーシングを使用しています。
  • 社員による紹介は他の市場に比べてもそれほど大きくなく、この背後にある主な理由は拒絶されるかもしれないという不安と、推薦者に迷惑をかける可能性があるという気まずさです。そのため、企業が日本でこれを軽減するための具体的な方法を考案することが重要であると考えられています。
  • 一例では、企業はカジュアルな会議を実行していて、両者が役割や期待を事前に知ることができる事前面接の機会を設けるために、全ての紹介には採用担当者とのカジュアルなランチや夕食が付与されることもあります。
  • 別の例では、日本では企業での勤務年数が長くなる程、以前のコミュニティからさらに離れる傾向があることに気づきました。そこで企業は新入社員の90日間の評価過程の一環として、早期友人紹介プログラムを扇動する必要性を感じました。その結果、これはより一般的な紹介プログラムを扇動するための従来の試みよりもはるかに高い成功率を示しました。
  • また別の例では、後に面接に落ちるかもしれない推薦を与えることへの潜在的な不安に打ち勝つ手助けとなるように、企業はより望ましい紹介報奨を与えることによって成功へ導くことを発見しました。よって、スマートフォン、iPad、テレビや休暇等の支給システムは1年で成功した紹介の数に応じて段階的に与えられるように考案されました。
  • ある企業が「職場に専門家を招待」し、家族を招待するのと同様の構想に沿ってモデル化しました。
  • そして最後に、ある企業は紹介により採用が決定した場合に報奨を与えるのではなく、単に名前や連絡先などの詳細の共有に報いることを決定しました。
  • これらすべての場合において、企業は厳密に日本の労働とプライバシーの法律の遵守に注意する必要がありました。複数の企業にとっては、これらの規制バリアを考慮するための方法を見つけるのに何ヶ月もかかり、代表する数社は他がどれほど高度であったかを耳にして驚きました。

2) 人材とリーダーシップの動向

  • 人材の採用以外の日本人事の主要な動向は、地元の人材のスキルアップを続けることです。話題は多数の主要素をカバーし、会議の中で挙がった重要な課題の詳細をここに記載します。
  • 日本でスキルや能力を満たすのはいまだ難しいままであり、特に英語能力となるとさらに難しくなります。しかしその上で、これは最も貴重な要因で、文化の適合でもあります。非常に強力な社員ブランドを持つ企業だけが、彼らが望んでいる能力と文化の両方を持つ可能性がある社員を見つけ出すことを望み、他企業は惜しくも妥協しなければなりません。
  • 多くの日本人従業員に欠けているように見える興味深いスキルは話芸のやや曖昧なスキルです。海外のマネージャーが日本のリーダーに質問をするとき、彼は非常に正確で説明的な答えを期待することができます。しかし、結論に至るか、もしくは特定の成功を達成することに関しては、この人物の話す内容が常に興味をそそる、または説得力のあるものではありません。よって誰かがシニアで国際的な利害関係者に対処しているときに、このトレーニングの必要性に特に重点を置く価値があるかもしれません。
  • 一部の企業では日本での在宅勤務に成功の鍵を見出しています。2011年の地震と津波の経験は、以前遠隔でのチーム管理に反対していた管理職たちに確かに拭い去れない跡を残してきました。そしてまた日本での在宅勤務の経験は、海外にいる上司と働きやすくすることをサポートしてきました。上記全ての場合において、生産性は作業の柔軟性の上昇に直接比例して増加しています。しかし残業手当(ならびに午後10時を超えた時の割増賃金)に関する日本の労働規制が在宅勤務を難しくしており、そして企業は厳格な記録保存に準拠するよう、注意する必要があります。
  • 社員の次の役割がどうなるかについて伝えるために、彼らのラインマネージャーに頼るよりはむしろ、ほぼ全ての企業は社員自身のキャリアパスの所有権を得るために彼らを教育する過程のさらにまだ遠くにいます。組織内で得られる興味深いキャリアパスを用意することが企業の役割であると同時に、マネージャーが部下を指導する責任と並んで社員自身も責任を負う必要があります。これら全ての3つの歯車が揃ったときにのみ、人材の「仕掛け」は上手く実行されるのです。
  • 国際的な流動性はいまだ、管理者の将来の指導的立場の準備の重要な要素です。これが常に可能でない場所では、部下が指導者に少なくとも海外の別のオフィスに座っていさせることができる、地域指導のシステムを一部の企業が考案しました。どちらの方法もより多くの日本のトップの人材をもたらす面で成功しています。
  • 日本人社員が日本で順調に仕事をこなしている場合、多くは他の海外拠点の社員と彼らの成功を適切に共有するために手助けを必要としています。これはこの種の「自慢」は伝統的に謙虚さが高く評価される日本では、ひんしゅくを買うからです。ここで、ある企業は地域、さらにはグローバル本社へわたって成功の物語を共有するために「主唱者」として上手く日本の従業員を輩出しました。このシステムは日本での情報共有のより良い文化を生み出しており、また、評判ではなく内に築かれた信頼性で日本の社員が海外へ行くことを可能にしました。
  • ある企業が、指導者たちが互いの管理とコミュニケーションの課題(ボンバルディア・アプローチ)の議論を可能にする、クロス・ファンクション・グループの立ち上げに成功した話を共有しました。これはリーダーを筆頭に問題を議論し、それについて何をしようとしたかを説明し、そしてそのグループはどのような指導やアドバイスが欲しいかといったことを議論します。これらのセッションは、部門長が形式張らないコミュニケーションを自然に避ける傾向にある日本で特に成功しています。5つの全てのグループの会議は様々な視点から意見が混じり、非常に相互作用的で楽しめるものでした。これらの会合と同様に、カジュアルで親密な集まりの中で築かれた関係は会議が終了しても長く続き、そして非常に多くの日本人事リーダーが楽しみながら参加しているのを見ることができ、とても嬉しく思いました。